はじめに
家づくりにおいて、最も重要な土台となる「基礎工事」。
これからマイホームを建てる施主様にとっても、現場で働く職人にとっても、一番の懸念事項といえば「天気」ではないでしょうか。
特に、梅雨の時期や秋の長雨シーズンに工事が重なると、「雨の中で工事をして強度は大丈夫なのか?」「コンクリートが固まらないんじゃないか?」と不安になる方は多いはずです。また、これから建設業界を目指す方にとっても、天候による現場の判断基準を知っておくことは非常に重要です。
結論から言えば、「雨の日の工事は、工程によって『絶対にNGな場合』と『むしろ好都合な場合』がある」というのが真実です。
今回は、多くの基礎現場を手掛けてきた庄司鳶工業が、基礎工事と雨の関係について、プロの視点で包み隠さず解説します。
正しい知識を持つことは、良い家づくりへの第一歩であり、私たち職人がどのようなこだわりを持って仕事をしているかを知っていただく機会でもあります。
基礎工事中に雨が降っても大丈夫? ケース別の判断基準

一言で「基礎工事」と言っても、その工程はいくつもの段階に分かれています。
「雨が降ったら全休」というわけではなく、どの工程の時に降ったかによって、現場の判断は180度変わります。
1. 掘削(根切り)工事の場合:原則NG
基礎を作るために重機で土を掘る作業です。
この段階で強い雨が降ると、地盤が緩んでドロドロになり、重機が足を取られたり、掘った箇所の土が崩れてきたりする危険があります。
また、ぬかるんだ地盤の上に基礎を作ると、将来的な「不同沈下(家が傾く現象)」の原因にもなりかねないため、土の状態が悪くなるほどの雨天時は作業を中止するのが一般的です。
2. 鉄筋組みの場合:小雨ならOK
鉄筋を組んでいる最中の雨は、基本的に問題ありません。
「鉄筋が錆びてしまうのでは?」と心配されることがありますが、多少の表面的な錆(赤錆)であれば、コンクリートとの付着力を高める効果さえあると言われており、強度への悪影響はほとんどないというのが建築学会の定説です。
ただし、作業員の足元が滑りやすくなるため、安全管理の観点から豪雨や強風時は中止します。
3. コンクリート打設の場合:原則NG(要注意!)
ここが最も重要なポイントです。
生コンクリートを型枠に流し込む「打設(だせつ)」の作業中に雨が降ることは、品質管理上、最も避けなければならない事態です。これについては後ほど詳しく解説します。
4. コンクリート打設後の養生期間:むしろ好都合(恵みの雨)
コンクリートを流し終え、表面が固まり始めた後の雨は、実は「恵みの雨」とも呼ばれます。
コンクリートは乾燥が大敵です。急激に乾燥すると収縮してひび割れ(クラック)が起きやすくなります。そのため、雨によって適度な湿潤状態が保たれることは、強度の高い基礎を作る上で非常にプラスに働きます。
なぜ「コンクリート打設中」の雨は絶対に避けるべきなのか?

基礎工事において、私たちが最も神経を使うのが「コンクリート打設当日の天気」です。
もし、打設中に雨が混入してしまうと、次のような重大な欠陥に繋がるリスクがあるからです。
「水セメント比」が変わってしまう
コンクリートは、セメント、水、砂、砂利を厳密な計算の元で配合して作られています。
この時の「セメントに対する水の比率(水セメント比)」が、コンクリートの強度を決定づけます。
- 水が少なすぎると、施工がしにくくジャンカ(空洞)ができやすくなる。
- 水が多すぎると、シャバシャバになり強度が低下する。
工場から出荷された時点で最適なバランスになっている生コンクリートに、雨水という「計算外の水」が混ざってしまうと、この水セメント比が崩れます。
結果として、予定していた強度が出ない、ひび割れだらけになる、耐久性が落ちるといった品質低下を招いてしまうのです。
表面の仕上がりが汚くなる
コンクリートの表面を平らに均(なら)す仕上げ作業の際に雨が当たると、表面のセメントペーストが洗い流され、砂利が露出してザラザラの状態になってしまいます。
これでは見た目が悪いだけでなく、表面強度の低下や、雨水の浸入による内部鉄筋の腐食にも繋がりかねません。
そのため、私たちプロの職人は、天気予報を常にチェックし、「打設中に降られるリスクがあるなら、延期する」という勇気ある決断をします。
工期(スケジュール)を守ることも大切ですが、一生モノの家の土台において、品質を犠牲にすることはプロとしてあってはならないからです。
プロは見逃さない! 打設前の「水抜き」の重要性

打設中に雨が降らなくても、前日の雨などで「型枠の中に水が溜まっている」状態も注意が必要です。
基礎の底(耐圧盤)となる部分に水溜まりがある状態でコンクリートを流し込むと、結局はそこで水と混ざり合い、部分的な強度不足を引き起こします。
庄司鳶工業の現場では、以下のような当たり前のルールを徹底しています。
- 打設前に型枠内を確認し、水が溜まっていればスポンジやポンプで完全に除去する。
- 泥やゴミが流入していないか清掃する。
- 天気予報が怪しい場合は、無理をせず関係各所と調整して日程を変更する。
「これくらい大丈夫だろう」という油断が、数十年後の家の寿命を縮めることを私たちは知っています。
だからこそ、見えない部分の手間を惜しみません。
良い職人は「天気」と「段取り」で仕事をする

建設現場、特に基礎工事や外構工事は自然との戦いです。
「雨だから休みでラッキー」と考えるのではなく、「この雨をどう利用するか」「いつなら最高の品質で施工できるか」を考えるのが、本物の職人です。
未経験からでも「プロの判断力」は身につく
ここまで読んで、「職人の仕事って難しそうだな…」と感じた方もいるかもしれません。
確かに、天候を読み、コンクリートの状態を見極めるには経験が必要です。しかし、最初から全てができる人はいません。
庄司鳶工業で活躍しているスタッフの多くも、最初は未経験からのスタートでした。
大切なのは、特別な才能ではなく「当たり前のルールを守る誠実さ」です。
- 雨の日は無理をしないというルール。
- 溜まった水は必ず抜くというルール。
- 分からないことは知ったかぶりをせず聞くというルール。
これらを徹底できる人であれば、技術や知識は後から自然とついてきます。
当社では、ベテランの職人が現場で一つひとつ、「なぜ今この作業をするのか」「なぜ今日は中止にするのか」を論理的に教えます。
感覚だけでなく、しっかりとした知識に基づいた技術を身につけられる環境がここにはあります。
まとめ:誠実な仕事が、職人の価値を高める
基礎工事における雨への対応は、その施工会社の「品質への姿勢」が最も現れるポイントです。
無理やり工事を進めれば、工期は守れるかもしれません。しかし、住む人の安心は守れません。
私たち庄司鳶工業は、見えなくなる土台の部分だからこそ、どこよりも正直に、丁寧に施工することをお約束します。
そして現在、私たちはそんな「当たり前のこだわり」を一緒に守ってくれる新しい仲間を募集しています。
天気や現場の状況に合わせて、最適な施工を行う。
そんな「人間にしかできない仕事」で、一生モノの技術を身につけませんか?
建設業未経験の方も、異業種からの転職(営業職など)も大歓迎です。
「稼ぎたい」という意欲と、真面目に仕事に取り組む姿勢さえあれば、私たちが全力でサポートします。
まずは一度、現場の雰囲気を見に来てください。

