鋤取り(すきとり)で「あと工程がラクになる」現場と、そうじゃない現場の違いは?ベテランが見ている3つのポイントを解説!

New

はじめに:地味だけど、ここで現場の質が決まる工程がある


建設業に興味を持って調べていると、「鋤取り(すきとり)」という言葉を見かけることがあると思います。


読み方も難しいし、なんとなく聞き流してしまいがちな言葉ですが、実はこの工程、基礎工事の中でもかなり大事なポジションにある作業です。


ベテランの職人さんに話を聞くと、口を揃えてこう言います。


鋤取りが丁寧な現場は、あとの工程が全部ラクになるんだよ。


今回は、未経験で建設業に飛び込んでみようかなと考えている方に向けて、「鋤取りって何?」というところから、「ベテランが何を見ているのか」まで、ざっくりお話ししていきます。



そもそも「鋤取り」って何をする作業?

鋤取り(すきとり)とは、建物を建てる前に、地面の表面を一定の深さまで削り取る作業のことです。


家を建てるとなったとき、いきなりコンクリートを流すわけにはいきません。地面の表面には草や根っこ、軟らかい土、ゴミなどが混ざっていて、そのままだと建物の土台として不安定だからです。


そこで、表面の土をきれいに削り取って、しっかりした地盤の層まで掘り下げる。これが鋤取りです。


鋤取りと「根伐り(ねぎり)」の違い

ちなみに、似た言葉で「根伐り」というものもあります。

ざっくり区別すると、こんなイメージです。


  • 鋤取り:地面の表面全体を、薄く広く削る作業
  • 根伐り:建物の基礎を入れる部分を、深く掘り下げる作業


順番でいうと、鋤取り→根伐り、というのが一般的な流れです。地面をならしてから、必要なところを深く掘る、ということですね。



未経験から始めるなら、まずここを覚えてほしい

鋤取りの作業自体は、重機(バックホウなど)を使って土を削り取る、というシンプルなものに見えます。


実際、未経験で入った新人がまず関わることが多いのも、この鋤取り周りの作業です。重機の運転は最初はやりませんが、削った土を運ぶ、レベル(高さ)を測るのを手伝う、現場をならす、といった補助からスタートします。


「地味だな」と感じるかもしれません。でも、ここで現場の流れを覚えておくと、あとの工程の理解がぜんぜん違ってきます。


鋤取りは、現場全体の「土台の土台」を作る工程。ここを雑にやると、後ろの全工程に影響が出ます。



ベテランが鋤取りで見ている3つのポイント

ここからが本題です。


同じ「鋤取り」という作業でも、ベテランがやる現場と、そうじゃない現場では仕上がりが全然違います。何が違うのか。実際にベテラン職人に聞いてみると、見ているポイントは大きく3つでした。


①「深さ」が均一かどうか

鋤取りは、現場全体を同じ深さで削るのが基本です。

ところが、これが意外と難しい。地面は見た目には平らでも、実は微妙に高低差があります。レベル(高さの基準)をちゃんと測りながら作業しないと、ある場所は深く削れていて、別の場所は浅い、という状態になります。

ベテランは、重機を動かしながらも、常に「全体の深さが揃っているか」を意識しています。


②「土の質」が変わっていないか

地面を削っていくと、途中で土の色や硬さが変わることがあります。

たとえば、表面は黒っぽい柔らかい土だったのに、削っていくと急に赤土が出てきたり、ガラ(瓦礫)が混ざっていたり、水が湧いてきたり。

こういう変化を見逃さないのがベテランです。「あ、ここから地盤が変わったな」と気づければ、後ろの工程で対応できます。気づかずに進めると、建物が建ってから不同沈下などの問題につながることもあります。


③「次の工程の人がやりやすいか」

これが、いちばんベテランらしいポイントかもしれません。

鋤取りが終わったあとは、根伐り、砕石敷き、捨てコン、配筋……と工程が続いていきます。

ベテランは、自分の作業が終わった時点で「次の人がスムーズに動けるか」を考えています。土をどこに寄せておくか、現場のどこを動線にしておくか、機械をどう置いておくか。


こういう段取りができている現場は、後ろの工程が本当にラクになります。逆に、自分の作業しか考えていない人がやると、次の職人さんが「使いにくい現場だな……」と感じることになります。



未経験から、こういう「見方」はどう身につくのか

ここまで読んで、「いきなりこんなの見えるようになるの?」と思った方もいるかもしれません。


正直に言うと、最初から全部見えるようになる人はいません。


ただ、ベテランの近くで作業をしながら、「今、なんでこのタイミングでレベル測ったんですか?」「この土、何が違うんですか?」と聞いていくうちに、だんだん見えるようになっていきます。

庄司鳶工業でも、未経験で入った社員が、まずは鋤取りや根伐りの補助からスタートして、半年〜1年くらいで「自分でも違いが分かるようになってきた」と言うようになります。

やってますよー、というレベルでお伝えすると、こういう「見えるようになる瞬間」が、現場仕事の面白さの一つだったりします。



おわりに:地味な工程ほど、覚えるとデカい

鋤取りは、派手な工程ではありません。


完成した建物を見ても、鋤取りがどうだったかなんて、誰にも分かりません。でも、ここを丁寧にやれる人は、現場全体で重宝されます。


未経験から建設業に入ろうかなと思っている方には、ぜひ「地味な工程こそ、ちゃんと覚える価値がある」ということを知っておいてほしいです。


そして、もし「実際に現場で覚えていきたい」と思ったら、お気軽にご連絡ください。基礎工事の入口から、丁寧に教えます。


採用情報はこちらから